迷走中


2020/01/26

去年から迷走中。

2年前の日記見たら、全然違うこと書いてあってびっくりした。
そのときはカナダに住んでいて、ライターと編集者でこれ以上何か成果を求めるようなやり方はやめようとか、人生は何か成し遂げるためのものや幸せになることが目的ではなく、今を生きることに価値があるとか書いてあった。

多分、カナダっていう違う土地にいて、自分がこれまでと同じような働き方や感覚でいたら精神的によくないと思って、違う生き方を探していたんだと思う。
でも、やっぱり日本に帰ってきたら、がんばって成果出さないとっていう圧が強いから、それに飲み込まれそうになってる。

自分が人や環境に振り回されすぎ。
じゃあ、自分にとって価値のあることってなんなんだろう?

Sさんと話していたときに、「太田さんは自分の作った本とか書いたもので、どんなふうになったらいいと思ってるんですか」って聞かれたときに、
「人に何か行動を起こさせるのがいい文章とか本だと思う」って言った。

「人に何か行動を起こさせる」っていうのは、食レポなら「あれ食べたい」「あそこ行きたい」だし、本ならその人がぼんやり考えていたことや迷っていることの背中を押せるようなもの。

行動を起こさせるテクニックっていっぱいある。
「お前らまだそんなことやってるの?早くこっちこいよ」って煽ったり、
罪悪感をかうえつけたり、コンプレックスを刺激したりするとか。
多分そっちの方が効果は高いし早いけど、
でも、自分はそういうことはしたいと思わない。

わたしは、一歩踏み出せない人を励ましたい。
今の社会に疑問をもったり生きにくいと思っている人に、
二元論とか陰謀論に陥らずに、世の中の歴史とか社会の制度をわかりやすく説明して、ヒントを与えるようなものを作りたい。
1か0かじゃなくて、間をつなぐようなもの、
間で迷っている人が、迷いながら日々の生活をよりよくできるようなものを作りたい。


Sさんにそういうところが「太田さんの作家性だと思う」って言われて、目からうろこが落ちた。

作家って、創作をやるとか、出版社から依頼を受けて何か書くとか、大きいメディアになんか書くことだと思ってたから。
けど、そういうことじゃないんだ。
職人かとか
作家っていうのは、何を作ってるかだけじゃなくて、
やり方だったり、その根底に流れるものが何かってことも含むんだ。
それが世の中にこの人しかいないって認められたとき、人は作家とか、作家的と呼ばれるんだと思う。

そしたら、自分の仕事の中には今も作家的にやっている仕事と、受注仕事の2つがある。
それを無理に、職人か作家って分ける必要はないんだなと思った。